2011年9月18日(日)、2011年度F.B.I. フローターマスターズトーナメントの最終戦が茨城県霞ヶ浦(土浦)にて開催されました。
霞ヶ浦の釣りを語る上で外すことができない土浦エリアですが、意外にもF.B.I.としては初開催。
一体どのような戦いが繰り広げられたのでしょうか。
最終戦を前にした今年度のフローターマスター候補は2人。
1人目は、F.B.I.の代表を務め、2005年にはマスターを獲得、2004、2009年にはクラシックを制している誰もが認める釣りウマ、F.B.I.最高の男、藤井将之氏。獲得ポイントは4戦を終わって208ポイント。
そして2人目は、2007年と去年マスターを獲得し、2007、2008年にはクラシックを制している今最も勢いのあるF.B.I.最強の男、長谷川和雄氏。獲得ポイントは4戦を終わって204ポイント。
どちらがフローターマスターになっても誰もが納得する実績と実力を持つ両者。最終戦もどちらかが優勝してフローターマスターを獲得するのか、それとも他の参加者が意地を見せて一矢報いるのか。また、今回はスペシャルゲストとして、霞ヶ浦のエキスパート団体「WBS」の運営を行いつつ、昨年は選手としても年間2位の成績を残した松村氏が参戦。当然実力では優勝候補筆頭の松村氏だが、慣れないフローターでどこまで普段どおりの釣りができるのか。
様々な思いが交錯する中、F.B.I.の和気あいあいとした楽しい雰囲気はそのままに、どこか緊張感の漂う一戦の幕が上がりました。
大会開催時はまだ残暑が厳しく水温は29℃前後、土浦の夏の風物詩であるアオコがいまだ水面を覆っていました。また、プラに入った選手たちによると1週間前から15~20cm程度の減水傾向で、数日前から南寄りの強風が吹き荒れている状況。タフコンディションが予想される中、選手たちは帰着時の風速や風向きなども考慮したエリア選びに頭を悩ませました。
今大会はノンオール艇が4名、オール艇が18名の計22名がエントリー。
スタートエリアは田村ドック付近で、ノンオール艇が5時半、オール艇が6時半のスタート。ウェイインは13時半。
大会当日は晴れて暑い1日となりました。
朝4時30分、受付開始。
出番を待つフローター。
2011年度のフローターマスターのトロフィー。
勝ち取るのは藤井氏か、長谷川氏か。


まだ夜が明けきらないうちから準備に余念がない選手たち。


朝のミーティング。
選手たちには禁止エリアなどの連絡事項が伝えられる。
朝5時30分、ノンオール艇スタート。
村田氏(右)と新規参加の鈴木氏(左)。
キャストする村田氏。
鈴木氏。
今年度の大会ではいまだノーフィッシュがない安定感抜群の宮崎氏。
ミスターノンオール。細貝氏。
アシ前のシャローを攻める鈴木氏。
前回の秋元湖戦でのポップRによるビッグスモールパターンが記憶に新しい角田氏。
浚渫を攻めるWBSの松村氏。


震災での被災をものともせず東北から精力的に参加し、安定した結果を出している富永氏。
元祖霞マスター、伊藤(洋)氏。
アシ撃ち職人、飯塚氏。
アオコの影響が少ない桜川上流で相対したマスター候補の2人。
手前が藤井氏で、奥が長谷川氏。
桜川頂上決戦の軍配はどちらに?
結果、参加者22人中魚をキャッチしたのは9名で、リミットメイクをしたのは2名のみと予想通りのタフコンディションでしたが、「アオコの影響の少ないエリア(水通し)」、「シェード」、「水深」のキーポイントを軸にエリアを絞り込み、そのポイントにいるバスの状況に合わせて食わせとリアクションの釣りを意識して使い分けた選手たちが良い釣果を上げていたようです。
ウェイイン風景。
伊藤氏(左)と飯塚氏(右)

真下氏(左)と大阪からはるばる参加の小田氏(右)

富永氏(左)と川村氏(右:私です)

それでは、上位3名の発表です。
3位は、昨年のクラシックを制した上位入賞常連の実力者、城川氏。ウェイトは2本で1635g。
マルトボート前のブレイクに絡むストラクチャーをテキサスリグのフォーリングで攻め、キロアップを含む2本をキャッチした。プラで温存していたピンスポットへの朝一の1投目でキロアップをキャッチするあたりはさすがの一言。感覚的にビッグフィッシュを呼び込む城川氏ならではの1本と言えるでしょう。このお立ち台で今年の年間ランキングも3位まで上げてきた城川氏。今年度のクラシックでも何かをやってくれそうな予感がするのは私だけではないはずだ。

2位は、やはり強かった・・・WBSの松村氏。ウェイトは3本で2430g。
土浦エリア北岸のシャローが張り出した浚渫の1~4mに落ちるブレイクに1日ステイし、回遊バスを狙ってダウンショットよる食わせとキャロによるリアクションの両極端な釣りを使い分けて見事キロアップを含むリミットをそろえた。自らの持つ幾つかのピンスポットの中から、その時の湖の状況と強風の中での慣れないフローター、自らの体力なども考慮して1箇所を絞り込み、このタフコンディションの中でナイスフィッシュを含むリミットをそろえてくる技術と作戦はさすがプロと言うほかない。バス釣りやそれを取り巻く環境に対する意識の高さなど、お話を聞いていて感心させられました。来年度も参加していただけるとのことで、今から非常に楽しみです。


そして優勝は、藤井氏とのフローターマスター争いの一騎打ちを制した長谷川氏。今大会のビッグフィッシュとなる1235gを含む3本をそろえ、ウェイトはブッチギリの2995g。
水の良い桜川の中でも、橋桁の流れの当たる側に堆積する沈みモノに良い魚が付いていることをプラで見出し、上流側からドライブスティックのヘビーダウンショットをドリフト気味にアプローチして着底後のワンアクションで食わせるというパターンがハマり、9本の魚をキャッチした。大会中に他の選手やボーターが橋桁を攻めてもバイトがない中、プラン通りに唯一人多数の魚をキャッチする様は本当にお見事でした。



<表彰式>
上位入賞者のパターン解説に聴き入る選手たち。


クラシック出場権を獲得し満面の笑みを浮かべる真下氏。
と、それをちょっと寂しそうに見守る角田氏。
賞品に群がる参加者たち(笑)


上位3名。
<成績表>
ビッグフィッシュ賞:1235g(長谷川和雄)
1位:長谷川和雄 2995g/3本
2位:松村寛 2430g/3本
3位:城川晃邦 1635g/2本
4位:川村俊明 1330g/2本
5位:小田浩史 1210g/2本
6位:飯塚賢一 960g/2本
7位:真下桂一 870g/2本
8位:富永裕一 675g/1本
9位:伊藤洋治 670g/2本
以下、13名ノーフィッシュ
<大会動画>
この最終戦で長谷川氏が優勝したことにより、長谷川氏の年間ポイントは250ポイントとなり(1位3回、2位1回+ビッグフィッシュ賞2回)、F.BI.史上最高ポイントでの3度目のマスター獲得が決定しました。3度のマスター獲得は神戸氏に続く史上2人目です。
「強い」という言葉以外見つからない長谷川氏の活躍ですが、その時の状況を的確に把握して自分の釣りに合ったコンディションの良い魚をキャッチする知識(経験)と技術が優れているのは当然のことながら、その華々しい釣果の陰には誰よりも精力的にプラクティスを行う努力があることを忘れてはならない。来年度も彼がマスター最有力候補であることは間違いないだろう。本当におめでとうございました。
最後までマスター争いを演じた藤井氏と健闘を称え合う。
代表をやりながら、例年であれば確実にマスターを狙えるであろう活躍を見せた藤井氏も本当に見事な戦いぶりでした。

そして、フローターマスターである長谷川氏によって、今年度のフローターマスターズクラシックの開催地は霞ヶ浦の牛堀エリアに決定しました。10月16日(日)に参加資格を獲得した以下の9名の選手により争われます。年に1度のお祭り行事である今大会。楽しく、そして真剣に、今年度の大会の締めくくりとなるようなF.B.I.らしい大会になることを期待しています。
長谷川和雄
藤井将之
城川晃邦
川村俊明
宮崎幸治
富永裕一
細貝浩一
栗本雅博
真下圭一
参加された皆さん、お疲れさまでした!
report:T.Kawamura
photo:T.Kawamura&M.Fujii
movie:T.Inoue




















細貝氏(右)と宮崎氏
























































集合写真
上位三名
